TOHOKU GROWTH Accelerator~レクチャー最終回の様子をレポート!~
こんにちは!MAKOTOインターンの佐藤桃子(ももk)です。
12月9日に行われたTGAのレクチャー第5回(最終回!)の模様をレポートします。
まずはウォーミングアップとして、前回のレクチャーからの2週間の間で起こったことと今日得たい情報について少人数で話し合いました。
今回のレクチャーでは、株式会社BIZVALの中田隆三氏より「EXIT(M&A編)」についてお話ししていただきました!
(1)直近のM&AによるEXIT環境は?
これまで、スタートアップのEXITとしてはIPOが主流でしたが、近年はM&Aの件数が増加しています。2018年1~10月の買収件数は49件であり、過去最高だった2017年通年の46件を上回っています。中でも、大手国内企業による買収が目立っています、
大手企業は自分たちで稼ぐだけでなく、投資を通してどのように利益を得るかについても非常に悩んでおり、その悩みを解消するために、大手企業がベンチャー企業に投資するためのCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の設立が活発化しています。なんと、国内だけで200社以上のCVCがあります!
(2)どんなM&A、EXITを描くのか?
M&Aには以下のように様々なスキームがありますが、自社にとってのEXITとは何かを十分に検討してスキームを選択する必要があります。売却をして一次で資金化・投資回収を図る場合には1,株式譲渡、2,株式交換が、大手傘下となり継続して事業を営み、より未来で投資回収を図る場合は3,会社分割、株式譲渡、4,第三者割当増資が適しています。
1,株式譲渡:
シンプルに売り手である株主(創業者や投資家)に売却資金が入る
2,株式交換:
上場企業の株式を代わりに交付してもらう(完全子会社になる)。市場流通する株式なので、好きなタイミングで売却し、資金化できる
3,会社分割、事業譲渡(会社の事業単位を売る):
事業の一部を売却するスキームなので「会社にお金が入る」ため、資金回収にワンクッション必要となる。
4,第三者割当増資:
株主ではなく「会社にお金が入る」ため、直接的な資金回収は困難。
(3)M&Aとは?
そもそもM&AとはMerger&Acquisitionの略で、日本語で「合併と買収」と訳されます。
さらに、買収側の視点に立つと、
①株式の譲受 ②第三者割当増資の引き受け ③株式交換と株式移転 ④会社の全部または一部の「分割」による譲受 ⑤事業の譲受 ⑥合併
に分解されます。
様々な手法があり複雑ですが、5W2Hを抑えると要点を掴むことができます。
■誰が(Who)
買収側(被買収側)は個人か?法人か?
■どこで(Where)
In-In(国内同士)、In-Out(国内→海外)、Out-In(海外→国内)
→法律等が異なるので検討論点として重要
■何を(What)
「法人」を丸ごと買ってくるのか、「事業」を買ってくるのか。
■何故(Why)
戦略的に買収意図が何か、明確にする。
■いつまでに(When)
ゴール設計。スキームによっては法定の待期期間をようするものもあるので注意が必要。
■どうやって(How)
どのスキームを選択するか。
■いくらで(How much)
会社の株式価値はいくらなのか、事業価値はいくらなのか、資産価値(無形固定資産、知財等)はいくらなのか。
(4)M&Aでの陥りがちな罠とは?
M&Aには陥りがちな罠が2点ある、と中田さんは述べます。1点目は「強気で交渉すれば良い」と考えてしまうこと。強気で臨み続けると、結果として良い結果が得られないことが多く、気付いたときには事業継承や資金調達のタイミングを逸し、足元を見られたバリュエーションになってしまいます。2点目は、「ファイナンスくらい自分で出来る!」と全て自分でやろうとしてしまい、割に合わない時間的なコストがかかってしまうこと。M&Aを実行するにあたってタイミングは重要です。頼れる部分は頼るよう心掛けましょう。
M&Aを失敗させないためには、自社が置かれている環境を整理、分析した上で「本当に必要なM&Aか」をチェックすることが不可欠です。
中田氏率いる株式会社BIZVALでは、M&Aサービスサイト「BIZVAL」上で無料で企業価値評価を1分で出来るサービスを提供しています。気軽に企業価値を知ることができるので、M&Aに興味のある事業者の方ははぜひ使てみてください!
最後に
M&Aは単に「大企業が企業を買収してシナジーを得る」という様なイメージしか無かったのですが、IPOと並ぶスタートアップのEXIT方法になっているという現状に驚きました。最近はM&Aの件数が増えると同時に、BIZVALさんのようにM&Aをサポートするサービスも増えており、M&Aに追い風が吹いているので、これからの動向をチェックしていきたいです!
5回のレクチャーは全て非常に濃い内容で、スタートアップを取り巻く環境や成長フェーズについて詳細に学ぶことが出来ました。Demodayまであと2か月。自分で書いたブログを読み返しつつ(笑)、スタートアップに関する知識をより一層インプットしてDemodayに臨みたいと思います!
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佐藤桃子(ももk)
東北大学経済学部に在籍。
2018年2月、MAKOTOにインターンとしてJoin。
地方創生、TOHOKU GROWTH Accelerator、メディア作りなど幅広い業務に従事。
大学では国際協力サークルを立ち上げたり、学部内で最もブラックなゼミで研究に没頭したりした。
忘年会→クリスマス→年越し→お正月での暴飲暴食の結果が怖すぎて、2019年になってほしくないです。