TOHOKU GROWTH Accelerator 第2回レクチャーをレポート!
こんにちは、MAKOTOインターンの佐藤桃子(ももk)です!
今回は10月28日に行われた、TOHOKU GROWTH Acceleratorの第2回レクチャーの様子をお伝えします。
第2回の講師はグロービス・キャピタル・パートナーズの代表パートナー兼最高執行責任者を務める今野穣氏です。
「投資される会社/起業家になるために伝えたい4つのこと」をテーマに、これまで投資されてきた企業についての事例も織り交ぜながらお話しいただきました!
レクチャー後半では、受講者によるワークショップも行われたのでその様子もレポートします。
今野氏によるレクチャー
1、大きなトレンドを掴め
投資家も人間なので、トレンドに乗っているモノに惹かれてしまう部分があると今野氏は述べます。
では、最近のトレンドはなんでしょう?
ここでは今野氏のレクチャーの中から、代表的なトレンド2つを紹介します。
■サブスクリプション
一定期間に「定額料金」を支払うことで、継続的にサービスを受けられるビジネスモデルのこと。代表的なものに音楽や動画の配信サービス、自動車レンタルといったものが挙げられますが、必ず人が買うけれど、買うのがめんどくさい...そんな商品にサブスクリプションは向いているのです。変わったものではカミソリのサブスクリプションを行っているベンチャーもあるそうです。
■スマホ、ネットの外へ
世界中でスマートフォンの普及率は飽和状態になると同時にwi-fi環境は整備され、どこにいてもスマホを通じてネット接続できるようになりました。そんな中、中国を端緒としたデジタル決済の爆発的な普及は日本にも及び、数々の企業がデジタル決済の主導権を握るべく争う状況になりました。AirbnbやUberの台頭などからも分かる通り、インターネットはもはやエンターテイメントではなく、生活に欠かせないものとなってきています。
2、大きくなるビジネスほどシンプル
エレベーターピッチのような短い時間でビジネスをプレゼンしなければならない場面でも「それいいね!」と言ってもらえるように、ビジネスプランはシンプルなものでなければなりません。
3、機会は平等、固有の差別化を作れ
上記の大きなトレンドが存在する中、他のビジネスプランと差別化を図るためには「私(のビジネス)は他とここが違う」というポイントが含まれていることが不可欠。このポイントを5W2Hに分けて紹介します。
★Who「誰が誰とやるのか?」→プランだけでなく自分/チームを売れ
★What「何の問題を解決するのか?」→具体的に困っている人を意識せよ
★Why「なぜそれをやりたいと思うのか?」→大義や原体験が共感を生む
☆When,Why now「なぜ今なのか?」→「変化」に「機会」あり
☆How「どうやってやるのか?」→KSF(オセロの四隅)を特定せよ
☆Where「どこからはじめるのか」→一点突破、全面展開
・How much「どんなビジネスモデルか」→結局お金を払ってもらわないと
「★Who/What/Why」で65%、「☆When,Why now/How/Where」で35%、「How much」で10%の配分で投資家は見ているそうです。お金になるビジネスモデルか否かといったことよりも、まずは起業家のマインドや事業にかける想いを投資家は最重視しています。
4、資本政策には細心の注意を
トレンドを掴み、差別化されたビジネスプランを作ったところで、資金調達の段階で注意を怠ると後戻り出来ないポイントがあります。資本政策の基本原則5つを紹介します。
1,事業モデルによって必要な資金の量、タイミングは異なるので、事業モデルに準拠したファイナンス計画を組む
2,マイルストーンを意識したファイナンスタイミング(事業の価値は意味のあるマイルストーンを達成するごとに非連続、階段状に跳ね上がる)
3,中長期での”逆引き線”で考える(資本政策は中長期の逆算で、選択肢を減らさないように)
4,資本コストのメリット、デメリットを理解する(事業の特性、ステージを鑑みて調達手段を組み合わせ、資本コストを最適化する)
5,投資家は資金や評価額以外の価値も含めて選ぶ(予め資金の他に投資家に何を求めるのか明確にしておき、投資家を選ぶ)
ワークショップ
続いて、レクチャー受講者による、「Seed→Early期における4つチェックポイントを自らの事業にあてはめるとどうなるのか」というお題でのワークショップとプレゼンテーションを行いました!
Seed→Early期におけるチェックポイント
1,初期の熱狂的なユーザーはいるか
2,本件を成功させるためのカギとなるスイッチを知っているか
3,次の資金調達に向けてのマイルストーンをどう設計するか
4,Audienceを「WoW!」と思わせる要素をどこに持たせるか
「我こそは!」と手を挙げた5名の受講者に発表していただきました。
「そのKPIを達成するためのチームはどうやって作るの?」
「全て自社で内製するのか、既存の事業所にソリューションだけ売るのかで資本政策は変わってくるけど、どうするつもりなの?」
「初期のユーザーは何に困っているの?」
などなど、今野氏からは鋭い質問が飛び交いました。
TGAが始動してから約1か月、今野氏からのアドバイスや質疑応答を糧にビジネスはますますブラッシュアップされるでしょう!
最後に
レクチャーの随所で、今野氏が「チーム」という言葉を強調していたのが印象的でした。起業家個人に注目が集まることも多いですが、事業を成功させるためのメンバーを集めることも起業家のスキルの一つに違いありません。また、5W2Hのうちの「Who,What,Why」が投資家の目線の半分以上だということも、投資検討者のみならず、今後起業を考えている人、事業を作りたい人は肝に銘じておきたいですね。
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佐藤桃子(ももケー)
東北大学経済学部に在籍。
東北大学経済学部に在籍。
2018年2月、MAKOTOにインターンとしてJoin。
地方創生、TOHOKU GROWTH Accelerator、新規事業の立ち上げなど幅広い業務に従事。
最近は学業が落ち着き、本業が女子大生なのかインターンなのか分からなくなりました。